中途半端の美学

カテゴリ:クソ小説( 7 )


DT男~海外アウフヘーベン編3~

前回までのあらすじ

バカはオーストラリアに女を追って旅にでた










「I love you!from Gold Coast」


月明かりに照らされた文字

僕は頭の中が真っ白になった



これは僕に言っているのだろうか?



僕の飲んでいたジュースのストローを取って砂浜に書いた文字

その文字は

女の子特有の丸みを帯びた文字だった



「これはどういうこと?俺のこと好きってこと?」



聞けなかった

何で聞けないのだろう?

これでは昔の自分と同じではないか


僕はしばらくの間ぼんやり下を向いていた


ふと彼女を見ると

デジカメで文字を撮っていた


「何やってるの?」

「記念にね、撮ってるの。」



ますます何が何だか分からなくなった

何の記念なのだろう・・・



聞くしかない

僕の決意は固まった



実をいうと

僕は彼女のことを

昔から好きだったのだ

大学に入るずっと前から


大学に入る前

僕は彼女に告白をした

何年間もの想いをこめて


しかし

告白した直後に

彼女との連絡は途絶えた

それまでは

他愛のない会話から相談事まで

メールや電話をして仲よかったのに


このことが僕を恋愛に臆病にさせている

大学に入って好きになったコスプレに

半年間も告白できなかったのは

この過去の経験があるからだ


そう

この旅は

いわば

過去との対峙である

前に進むための




僕は立ち上がった

ジーパンに付いた砂を叩き

自分を勇気付けた


静寂に包まれた中で

波の音が繰り返される中で

僕は言葉を発した


「あのさ・・」







その瞬間

事件は起こった

あってはならない事件が




「ヒューヒュー!!」


外人が騒いでいる

後ろを振り返ると


ブロンドの髪の男女が

青姦をしていた・・・



それをはやし立てるギャラリー


波打ち際のセックスとそれを見守る大衆


心が折れた

殺意が芽生えた


ゴールドコーストでそれはないだろう・・・


「やだー、あの人達・・・。もう遅いし宿戻ろ」


終わった


彼女は歩き出した

僕は砂浜に書かれた文字を見た

少し消えかかっていた

後ろ髪を引かれる思いでその場所を後にした

そうするしかなかった



(注)これはマジな話です。林に「お前夜海行ったんならチュウぐらいしろよ」と言ったら、
「やってるの見た後にそれは無理でしょう」と返ってきた。僕はどこまでこの人はネタを作れば
気が済むのだろうと思いました





「おはよう!!」

翌朝

彼女はいつもと変わらない明るさだった

雲ひとつない空を見て

何だか

その澄み切った空が

だんだん腹立たしく思えてきた





サーフィンをしに今日も海にいく

僕も少しは波に乗れるようになってきた

サーフィンの面白さが分かってきたようだ

僕も日本に返ったら本格的にサーフィンを始めようかな

肌を焼くとすぐ赤くなって皮が剥けるくせに

そんなことも思うほどサーフィンが好きになっていた



波の上でプカプカ浮いていると

少し気が収まった






「けんちゃん!早くきて!!」


ブリトニーが叫んでいる


パドリングをして向かう僕

少し自分がかっこいいと思った

バカではない

自己満だ

何人たりとも文句は言わせない




「どうしたの?」



最近伸ばしている髪をかき上げキザ口調で言った

完璧だ

僕はかっこいい



「あのね、水着がほどけちゃったの。後ろで結んでくれない??」



「えっ!?」



うわずった声は

もはやかっこよさの欠片もなかった

そこには女体に不慣れな

等身大の僕がいた




(続く)










(注)

青姦、水着ポロリ。ありえないことが起きるのがはやけんワールド。
常人の理解範囲を超えています。

次回最終回です。お楽しみに♪
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by koji_endo | 2006-02-20 23:42 | クソ小説

DT男~海外アウフヘーベン編2~



僕の体は静かな興奮で包まれていた


結局機内では熟睡することはできず

少し寝不足気味で空港に到着した


ブリスベン

クイーンランド州の州都

亜熱帯気候の緑に囲まれた街


数時間ぶりの大地の感触

僕はその一歩一歩を踏みしめながら

日本から遠く離れた

この地にいることを改めて実感した






「きちゃった♪」


女の子がこういって

いきなり家を訪れるシチュエーションは

なかなかいいと思う




でも

「きちゃった♪」

といって男がオーストラリアまで来るといった話は

聞いたことがない



今頃日本にいる

橋本亡き今

その志を受け継ぐ破壊王遠藤さんらは

僕のことをいじっているに違いない



僕が降り立ったブリスベン空港は

ブリスベンの街から

東におよそ13キロ離れたところにある

この空港は

国際線ターミナルと国内線ターミナルの二つのターミナルからなる大きな空港だ



今、彼女はどこにいるのだろう?

人の数より羊の数の方が多い国

男女のカップルよりゲイのカップルの方が多い国

羊とゲイ

この見慣れぬオーストラリアの地のどこに・・・



ブリトニーは国際電話を持っている

さっそく電話をかけた


「プルルルル、プルルルル・・・」


着信音が

空港の雑踏の中

無機質に響いた





つながらない・・・




絶望感が僕を襲った

ブリトニーは僕が来ることを本気にしていなかったのではないか?

張り詰めていた糸が切れたように

僕は近くに腰を下ろした



行き交う人々は

笑っていた



人々の楽しそうな姿が僕をいっそう惨めにさせた


ゴールドコースト・・・

何が金の海岸じゃぼけー!!

僕は叫びたかった

羊とゲイの中心で・・・



しばらく経った後

意を決して

もう一度電話をかけることにした



「プルルルル、プルルルル・・・」


数分前と同じように鳴り響いた


「やっぱりつながらないか・・・」


僕がそうこぼした次の瞬間


「けんちゃん??」


暖かい風が吹きぬけた




「今どこにいるの?」

「空港の中の免税ショップの近くだよ。ブリトニーは?」

「すぐ近く。今からいくね。ちょっと待ってって!!」



半年振りの再会


彼女はたぶん何も変わってないだろう

でも

僕は半年前とは変わった

多少なりとも恋愛の面で経験値があがった

半年前の僕なら

まずこの地にいることはなかったはずだ


色々と過去を述懐していた


「けんちゃーん!!」


僕は目線を声の方向に向けた

足早に近づいてくる彼女



やっぱりかわいかった




「久しぶり!!元気!?」


「元気だよ。けんちゃんは疲れてるでしょ?」


「飛行機の中でぐっすり寝れたから元気だよ。」

薄っすら充血した目で僕は答えた


「空港にいてもしょうがないから、はやくいこう!」


彼女は底抜けに明るい

僕は明るい人に惹かれる




ブリスベン空港からゴールドコーストまでバスで1時間半


まっすぐに伸びた道路を

バスは走る

突き抜けるような青い空


僕は窓を開けた

微かに香る潮風に

彼女の髪がなびいた


僕は

潮の匂いと髪の匂いに

胸がしめつけられそうになった



ゴールドコーストに着くと

まずは宿を探した

二人とも金がないのでバックパッカー用の安宿である

安宿だけあって

二人部屋が空いておらず四人部屋に・・・


「ジーザス クライスト!!」


英語かぶれして叫んだ


どうでもいいが

モーセの十戒の中に

「汝は神・主の名をみだりに唱えてはならない」

というものがある

キリスト教の価値基準においてユダヤ教の創始者であるモーセの十戒は重要な位置をしめる

つまり

「ジーザス クライスト」とかいうキリスト教徒は似非野郎なのである



荷物を置きビーチにいくことに

ブリトニーはサーフィンをやる子である


「波に乗るぐらいなら僕に乗って欲しい。四人部屋でもいいから。」


そんなことをパブロフの犬的に思ってしまう僕は

日本の

SFCの

SOULとかいう

アホ集団に

やられているな

とオーストラリアに来ても思った



ビーチまで行く途中

ブリトニーは

「けんちゃん、もっと筋トレしなよ!!」

と言ってきた


時代はソフト

マイクロソフトにソフトマッチョ

大勝である


ビーチに行くことが分かっていた僕は

オーストラリアに行くことになったその日から

筋トレをした

でも腹筋が1週間でバリバリに割れる訳がない

アブトロニクス(腹筋を鍛えるやつ)をヤフーオークションで買ったら

オーストラリアに行く当日に届いた

筋トレは一日にしてならず



後悔先立たず


後悔チンポ立たず、四人部屋で




(注)ここから謙太郎の生メール


サーフィンを始め、ふと彼女を見ると、なんとも超可愛かった。

高い波にのまれ、海中から顔を出し、目と目が合った。

「今の、けんちゃん見てた??」

「危なかったじゃん!そんな遠くまで行かない方がいいよ。」

「ウン。だけどせっかくだし。」

「だってサメいるじゃんよー。ほら。」

(本当にその日は、サメの大群がビーチ近くまで来てて向こうでニュースになったほど。)

「え!?どこどこ??」

「そこだよ、ほら!」

「うわー本当だ。マジ怖い。けんちゃん近くにいてよ。」

「はいよ!」


(注)ここまで。小説っぽく事の経緯を送ってきた林が面白いと僕は思います。





女の濡れた髪


これに大抵の男はそそられる

女の子はデートの前にバケツの水を被って行くと

いいかもしれない


サーフィンをするブリトニー

波を待つその真剣な眼差し

太陽が照らすその身体


波の揺れと共に

僕は彼女に酔っていた



サーフィンを終え

一度宿に帰り腹ごしらえに

夜の海辺に出かける


レストラン街は

イタリアン、フレンチ、タイ、韓国、インドなど

世界各地の食べ物が揃っていた

僕らは中国料理屋でご飯を食べることにした



ご飯を食べた後

僕らはどちらが言い出した訳でもなく

砂浜沿いを歩いた

砂の感触が体の芯まで響く


月明かり

波の音

潮風


どれを比べても大さん橋の比ではない



でも

ブリトニーは

この夜の砂浜にふさわしくない

他愛のない話を続けた


一瞬見せた僕の切ない空気を察知していたのだろう


座りながら話をしていたので

僕は背伸びをするために立ち上がった


「ふー」


空を見上げると星が輝いていた

自然が織り成す美に

言葉を失った


その時

星は

確かに僕を

応援していた



「よしっ!」


心の中で気合いを入れ

再び彼女の隣に座った

さっきよりも近くに


しばしの沈黙が僕らを覆っていた

波の音だけが繰り返されていた

でも

その沈黙は暖かかった



しばらくすると

彼女はおもむろに波打ち際に歩き出した

そして

ストローを取り出し

白浜に何かを書き始めた

僕は近くにいってそれを見た






「I love you!from Gold Coast」







文字は月明かりに照らされていた









つづく・・・






(注釈)
今日謙太郎は日本に帰ってきました。結果はどうなったでしょうか??まー徐々に更新していきます。ところで、私は先日の粗相で6万5千の負債を追ってしまったので、今、引越し屋をやろうか、ハルクの弟子になろうか考えております。
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by koji_endo | 2006-02-16 01:22 | クソ小説

DT男~海外アウフヘーベン編~


「向こう着いたらどうしよっか?」

「あたし、買い物とか超したいんだけど」

「俺は海見ながら、セッ・・・。ゴホン。買い物だね。やっぱ買い物!!」

「もう、リンリンったらエッチなんだから~」

「いや、セックスはグローバルスタンダードでしょ。

喉渇いたな~。スチュワーデスさんに飲み物もらおっかな。」

「ねー今はフライトアテンダントっていうんだよ。遅れてる~」

「えっまじ!?スッチーっていわないの!?じゃーフッラーっていうの?」

「フッラーなんて言うわけないじゃん。もうやだ~」

「すいませーん!!フッラーさーん。ウーロン茶くださーい!!」

「きゃははは」









バカップルは気楽でいいものだ

知らず知らずのうちに僕は右手を強く握りしめていた

あだ名がりんりんって・・・。

いざ人がりんりんと呼ばれているのをみると極度のバカに見える

僕もこれから気をつけよう・・・



(作者注)林謙太郎はクラスではリンリンと呼ばれています。だからもてないのでしょう




僕は深い溜息とともに窓の外を見た

そこには一面の黒の世界が広がっていた


この場にいる僕はいったい何をしたいのだろう?

たぶんその答えは

この飛行機が行き着く先に・・・












コスプレに告白してから数ヶ月が経った

キングオブチキンの僕にとっては本当にいい経験になった

今まで人を好きになってもその想いを打ち明けられず

ただただ月日の流れるのを待つだけだった

そんな僕もこの恋を通じて

少しは成長したと思う

本当にコスプレには感謝している


でも

この前の研究会のパーティーで

全く面識のないたまたまいたパキスタン人に

僕のことを

「彼は私に告白した人」

という紹介はしないで欲しい

かなり傷ついたから・・・。






あの後

とある女の子に

メッセで告ったら失敗した

やはり僕には

文才はないようだ

ダーティー卒遠藤さん流の

「なんてね♪」もうまく使えない



二連敗

でもそれは去年までの話

今年は真性林

じゃなくて新生林の見せどころである



今年になってSOULの二年生のボタとアキタカという

どうしようもない人達にも彼女ができた

二人とも臭すぎる

どちらとは言わないがブログに「スプートニクの恋人」

とかいう題で彼女ができた話を書いていた


「交わるはずのない放物線が交わった きっと俺とお前の平行線は交わる運命だった」


と書いてあった

この臭さ

僕が言うのもなんだけど

バルサンたかなきゃな・・・



スプートニクは世界初の打ち上げに成功した人工衛星であるが

1957年にソ連が打ち上げた人工衛星である

スプートニクショックと言われアメリカに大きな影響を与えたものである

冷戦時、宇宙に人工衛星を飛ばすことは

ミサイルもその気になれば敵国に届くということを示しており

米・ソ両国は人工衛星を打ち上げることに専念したのだ

自国の科学技術を見せつける

僕はこんな宇宙開発というロマンとは別の次元の

政治的思惑が入り乱れる冷戦構造が頭に浮かんだ

スプートニクの恋人

アキタカはソ連に肩入れしている共産主義者なのか?

今頃は生理の日に「やっぱ共産主義者は赤でしょ」

とか言って

毛沢東プレイをしているかもしれない

ごめんアキタカ

毛沢東プレイをやるのは江藤だった



まーどちらかいっていることに気付いたがよしとしよう

ボタはブログやめたし





僕は今オーストラリアのブリスベンに向かっている

18:30の成田を出発し香港を経て到着する空の旅だ

オーストラリアには僕より一足早く女の子が着いている



そもそも事の経緯と言えば

その女の子(以下ブリスベンだからブリトニーとします)と

僕はメッセをしていた


「今度オーストラリアに行くから一緒に来てよ~」


ブリトニーはこんなことを言ってきた

これは単なる社交辞令的な言葉かもしれない

しかし

僕は本気にしてしまうバカな男である

次の日旅行会社に行ってオーストラリア行きのチケットを購入した

早いのが僕の特徴である

早いのが・・・



親父に10万借りた

バイト代を6万つぎ込んだ




「チケットとれたよ」


とメールした

すると


「じゃーゴールドコーストで一緒に泊まろうよ」


こんな鼻血ブーなメールが返ってきたのである

行かない、行きます、行く、行くとき、行けば、行け

五段活用が僕の脳裏をよぎった


実際は

逝かない(嘘です)
逝きます(すぐです)
逝く(もちろんです)
逝くとき(早いです)
逝けば(ふにゃちんです)
逝け(命令されなくても早いから大丈夫です)

の五段活用だったことは言うまでもないだろう








そして今僕は機内にいる

周囲の旅行客が気持ちよさそうに毛布をかけて寝ている機内に

実際のところ

そんなアウフヘーベン的な考えではない

ブリトニーに会うだけでいい

心からそう思う

会って過去を清算したい

前に進むために



ふと時計を見ると1時30分を指していた

到着まで後四時間

異国の地に思いを馳せながら

僕は静かに目を閉じた









(注釈)
これはまじな話です。林謙太郎は今オーストラリアにいます。
昨日、日本を発ちました。
好きな女のためにいきなりオーストラリアに行く。
バカを通り越して尊敬に値します。
もはやここまでネタを作れる人は林謙太郎ぐらいしかいないでしょう。
本人の意向から、女の子が誰なのかはまだ言えません。
僕は「18:30成田発、20:30香港発、そしてブリスベンへ」それしか書けません。
向こうでもパソコンを使えるらしいので、林からメールがありしだい更新していきたいと思います。

DT男2~海外アウフヘーベン編~をご期待ください!!
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by koji_endo | 2006-02-11 02:02 | クソ小説

DT男 最終話

(注)DT男1から読んでください



ついに告白当日。


軽い二日酔いを感じながら目覚めると秋の清々しい風が部屋に舞い込んできた。
意識は朦朧としているが、なぜか心地よいそんな朝であった。
隣でまだ寝ている真性DT森田もまだすやすや眠っている。

そんな心地よい朝を台無しにするのはいつもこのダーティー二人。


和姦、青姦、強姦という三姦王バージョン2について話をする遠藤さんと江藤である。


「俺は二姦だよ。強姦はないべ。スーフリの和田さんじゃないんだから。江藤はやっぱ三姦か。やるな~」

「いやいや遠藤さん、俺二姦ですよ。」

「うそつけ!!」

「和姦がありません。こっちが了解してないですもん。」


全くもってこの二人の会話は意味がわからない。
同じ日本人として同カテゴリーに分類されることに憤りを感じた・・・。

昨日はアメフトの試合があり、その後湘南台の甘太郎で飲み会をした。
そして酔っ払いのまま江藤の家に雪崩れ込み、前夜祭をすることになった。
ダーティー二人とディーティー二人。
一億総中流階級と言われる日本であるが、確実に階層分化が広がっている。
これはグローバル化の影響ではなく、資本主義うんぬんも関係なくすべては女に拠るところ。


いつもの癖で酔って女の子に電話した。
いつも僕の恋愛相談にのってくれる子である。

遠藤さんと江藤にも少しだけ電話を渡した。
遠藤さんは普通に話をしていたが、江藤に渡した瞬間、この男が発した言葉は



「めんどくせーからSEXしない??」



であった。
ネタとはいえ顔も全く知らない女に、いきなりこの言葉を発せれるのは江藤先生ならではであった。


今日の僕の授業は2限だけであった。
九時過ぎにダーティー二人は


「あーこの部屋、童貞臭がすごくなるな。帰ったらバルサンたかなきゃな。」


と僕と森田をゴキブリ扱いして家をあとにした。



二人が去った後、僕は布団の中で一人色々と考えた。

大学に入ってからコスプレを好きになってからの日々、高校時代に叶わなかった片思い、中学校時代に好きだった子、小学校時代に・・・。

今までの恋愛がぐるぐると頭の中で回っていた。
胸がしめつけられそうになる思い出の記憶だ。


せつない・・・。


ため息とともになんだか泣けてきた。


テンションを上げるために
僕はコスプレの笑顔を思い浮かべることにした。


「けんちゃんゴミついてるよ」 僕の髪の毛についていたゴミを取ってくれた君。

「けんちゃんは誰か好きな人いるの??」 人の気も知らずニコニコしながら聞いてくる君。

「けんちゃん、もっと早く言ってよね!!」  ご飯を食べにいって君の口元にくっ付いた一粒の米粒。

「けんちゃん、好きだよ」  単なる僕の妄想の君。


なんだか心が軽くなり、一人微笑んだ。






「林さん、何にやけているんですか!!気持ち悪い!!」




森田が起きていた・・・。


「うるせー!!」


照れ隠しで森田に腕十字固めをした。

すると森田は


「ギブ、ギブ、ギブ」


と言った後、すくっと立ち上がり


「鳥肌たった。今日は決めて来い。お前は男だ!!」


とプライドに出てくる高田の真似をした。  (森田はモノマネ芸人並みに芸をする男です。)




くだらないショートコントをしてから学校にいった。

芝生の緑が目に入る。
鴨池で楽しそうに昼飯を食べるカップルの姿が目に入る。
おそらく7割5分は童貞であろうSFCの男の姿も目に入る。


教授のくだらない話を聞き流し、授業を終えた。
コスプレとの約束は6時から。
しばらく時間があるので僕は江藤の家に再び戻り時間を潰すことにした。

江藤は音楽を聴きながらノリノリで、バルサンと雑誌が入ったコンビニの袋をぶら下げて帰ってきた。

雑誌を徐にペラペラめくると「今日の占い」のページがあった。


ラッキーカラー 「赤」

ラッキーアイテム 「赤いスリッパ」


たまたま江藤の家にあった赤いスリッパを履きさらに時間を潰す。


「赤いもので身につけていける物何かない??」

「林さん、そういうベタベタなことするからいつまでたってもDTなんですよ」


とは言うものの、江藤は快く赤いリストバンドを貸してくれた。

ホワイトバンド(難民支援の募金目的のもの)を身につけている人を街中でよくみかけるが、レッドバンドはなかなかいない。
ホワイトバンドは実のところ、金はほとんど送られておらず送られている金は10円にも満たないという。
多くが団体運営費として使われているらしい。というか個人の懐に入っているのだろう。
遠藤さんはしばしば、単なる偽善であり、宗教じみてて気持ち悪いと言ってNGO,NPOを批判する人であるが、
この話と「NPOで儲ける方法」という意味不明なタイトルの本を本屋で見た時、僕もそう思った。


時代は白ではなく赤なのである。


赤で想起されるイメージ

共産党、毛沢東語録、レッドパージ(赤狩り)、処女キラー江藤の返り血・・・。

ろくなもんがない。

しかし、今日は「断固桜木」「断固赤」なのである。


「安西先生、バスケが、バスケがしたいです・・・。」

「江藤先生、大さん橋、大さん橋に行きたいのです・・・。」


ミッチーと僕の悲痛な叫びが江藤宅にこだまする。



僕は15分前に待ち合わせ場所である湘南台駅に着いた。
バスから降りる人の中から君を探す。
一台見送った後の二台目のバスから君は降りてきた。

僕は服の上から片手でブラジャーが外せない時ぐらいドキドキした。
実はフロントホックだったというオチつきだ。
そんなことはしたことないが・・・。


まず大さん橋に行かなければ話にならない。


「どこでご飯食べよっか?」

「今日は横浜に行かない?」

「えっ横浜!? けんちゃんと横浜か。 いいよ。」




「キター!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

と電車男のように心の中で叫ぶ。



湘南台から市営地下鉄に乗り、関内駅で降りる。
関内駅から大さん橋までは歩くと少し遠い。
しかし、道順は一昨日遠藤さんにばっちり教えてもらったので大丈夫だ。

僕は昨日の試合で筋肉痛なので、歩くのは正直しんどい。コスプレもヒールを履いているため歩くのはあまり好きではないようだ。
タクシーに乗ることも考えたが、行く途中に「かおり」というレーズンサンドの店があるのをあらかじめ知っていた。
そこで「あっかおりだ」というために歩くことにした。

(コスプレの名前はかおりといいます)


横浜スタジアムを左手に見てしばらく歩くと店が見えてきた。

しらじらしく僕は言う。

「あっかおりだ。同じ名前じゃん。あそこのレーズンサンド好きなんだだよね。」

「私は違う店の方が好きだな~。」


僕の第一の作戦は失敗した・・・。

不穏な空気がたちこめる。



大さん橋まで行く途中、僕らはお互い口数が少なかった。

僕は僕の想いを。

君は君の想いを。

想いを心内に秘めたまま足は向かうべき方向へゆっくり進む。
行き交う人々は駅に向かって足早に進む。
その駅に吸い寄せられるように進む人たちを見て、僕は少し怖くなり歩みを止めようかと思った。
しかし、もう後には戻れない。
進むしかないんだ。



これからどんな展開が待ち受けているのだろう。
不安と緊張が襲ってきた。


張り詰めた空気の中、大さん橋が見えてきた。
板張りの坂を一歩づつ登る。
視界が開けた瞬間、右手にはベイブリッジ、左手には赤レンガ、観覧車、ランドマークタワーが現れる。


「すごーい。夜景、超きれいだね。私夜景大好きなんだ!!」

「きれいでしょ。」

「何でけんちゃんこんなとこ知ってんの??」

「まーね」


僕の第二の作戦というかメインの作戦は成功した。
コスプレの喜ぶ姿をみて僕は思った。
本当にここに来てよかったと。


今日は平日の夜ということもあり、人影はまばらである。
一昨日来た時は、土曜日の夕方でだったので、子供連れも多く騒がしかった。

手を繋ぐ人、肩を組む人、抱き合う人、キスをする人

景色は一変していた。
そこには人々の恋愛の姿がはっきりと形になり現れていた。

水面は穏やかに揺れ、みなとみらいの光をやさしく映していた。

ベンチに座り夜景を見ながらしばし他愛のない会話をする。
会話が続かなくなりしばらくの沈黙が僕らを覆った。

君との思い出が走馬灯のようにかけめぐる。



今までの二人の関係が崩れることを恐れた。


息がつまりそうになった。


時間が止まって欲しいと思った。





少し肌寒い潮風に吹かれながら僕は、ついに言葉を口にした。




「俺はかおりが好きだから。付き合ってくれ」




長かった。

半年間心に秘めた想いはついに言葉となった。

やさしい潮風につつまれ、僕の想いはついに君へと届いた。


うつむく君。

沈黙が再び続いた。



そして





「私、けんたろうのことは好きだよ。」


「でもね、友達としてしか見れなくて、恋愛対象ではないんだよね・・・。」


もう一度僕は聞く


「俺は大好きなんだよ。どうしてもだめなの?」


「ごめん・・・。」



その後、彼女は色々と過去の恋愛話をした。
全く聞く気になれなかった。




風が冷たかった




「自分が本当に好きではない人とは付き合わない」



この言葉だけが僕に残った




大さん橋を後にし遠藤さんに教わったサンアロハという店に行く。

そこで食事をした。


「何でこんなおしゃれな店を知ってんの?」


と言われた。

僕はすべてを話した。

ちゃんと下調べをしたこと、遠藤さんがブログで書いていること。



その店には

「記念日にどうぞ」

と書かれたプリクラが置いてあった。


記念日か・・・


悲しかった

切なかった

泣きたかった



店をでて、駅に向かい暗い夜道を歩く

僕は遠くを見ながら足を進めた



関内駅から電車に乗り、横浜で別れた



「じゃあね・・・。」



駅でいう君の言葉で

僕はその場に立ち尽くした


山手線が不通になっていたためか、今日の横浜駅は人が多い。



僕は止まる

人は流れる

僕の時間は止まる

人の時間は流れる



遠藤さんに電話をした

今日の出来事を一通り告げ

「今から飲みません??」

と言った。

「バカヤロー!!皆お前の結果を待ってんだよ。偽小説家として今日中に物語を完成しなきゃいけないんだよ。」

「じゃー今度合コン誘ってくださいね。」

「おうよ。まー次だ次。元気だせよ。」



電話を切った



「合コン誘ってください」


なんだか言い訳がせつなくて僕は眼をつぶった






人なんて簡単に好きになれるものではない






でも僕はよかった

人をこんなに好きになれた

想いを告げられた





僕は一歩一歩

前に向かって歩きだした



時間は再び流れ始めていた
























あとがき

人間は進歩したと人はいう。なんでも手に入るこの世の中。確かに便利になり、裕福になった。
しかし、人間それ自体、本質の部分は何も変わっていないような気がする。
古今東西、恋愛の歌、詩、小説が歌われたり読まれたりしているのがいい証拠だ。
人を好きになり恋をする。これは本質部分である。。
本質の部分は地域、時代を超えて共感しうる。そして、恋愛とは人を成長させていくものだと僕は思う。


この文章を読んで林はどう映っただろうか?
想いを打ち明けられず日々悩む。バカな妄想をする。こんなはたから見ればダサい格好に僕は林の人間性が見てとれた。
人間などはダサくていい。泥臭く、バカなところに人間味がある。
なかなか体裁にこだわり素を出せない人がいるが、林のように素をだしていくべきであろう。

チキンでなかなか告白できない人を少しでも後押しできたら、僕としては本望だ。
皆いい恋しろよー!!自分の恋愛は全くダメであるが・・・。




2005年11月8日

色々と過去の恋愛を想い出したりしながら、最終話は4時間かかってしまった・・・。
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by koji_endo | 2005-11-08 01:26 | クソ小説

DT男3

前回までのあらすじ

Hくん改め林はついに明日告白することになった。








有頂天のまま家路に着く。

「ただいまー」

居間に行くとたまたま風呂上がりの弟がパンツ一枚でテレビを見ていた。

「おー兄ちゃんお帰り。何でにやにやしてんの??」

「ようクソ坊主。お前も浪人なんてしてないで、さっさと大学に入っていい恋愛しろよ!!兄ちゃんみたいにな」

「・・・。あ、アンガールズだ。」

ジャンガジャンガがむなしく部屋に響いた。

しばしばチキンの人間は同じチキンの人間との差異を見つけ自分が優位であることを主張する。
その差異はドングリの背比べというよりも、ミジンコの背比べに近い。
人間一般にも言えることであるが。



自分の部屋に入り一人呟く。

「明日は雨か~」

雨が降ったら僕のプランが崩れてしまう。
ふと、枕元に目を向けると普段オナニーにしか使わないティッシュがあった。
小学校ぶりに、てるてる坊主を作ることにした。
二つ作った。一つは僕、一つはコスプレ。
油性マジックで顔を書き込む。
出来上がったてるてる坊主はニコニコこちらを見ていた。
まるで僕を応援しているかのようだった。

窓の側に吊るす。
二つのてるてる坊主はくっついて並んでいた。
君と僕も明日になればこのてるてる坊主のように仲むつまじげに一緒に並ぶことはあるのだろうか。
そんなことを考えながら眠りに着いた。
明日の成功を夢見て・・・。


同時刻ユーローも眠りに着いた。
明日の性交を夢見て・・・。




朝起きて雨戸を開けると雨は降っていなかった。
昨日のてるてる坊主のご利益があったのだろうか。

「このやろーやるな」

てるてる坊主にでこぴんをした。

洗面所の前で鼻歌を歌いながら、ワックスをいつもより多めに付けた。
タンスからお気に入りの服をとりだす。
よしっと気合を入れ家を後にした。

町並みがいつもと違って見えた。
駅までの道のり、行き交う人の波。
そこには新鮮な空気が充満していた。
今日と明日ではまた違って見えるに違いない。



神宮球場に着いた。そこには研究会のメンバーがすでに何人か集まっていた。
真っ先にコスプレの姿を探したがまだ着いていなかった。

応援団、チアリーダー、ブラスバンド。これらの人たちが辺りをせわしなく走り回っている。
早慶戦など僕には関係ない。今日は僕対コスプレの戦いだ。


1ラウンド 告白
2ラウンド キス
3ラウンド チョメチョメ


というのは遠藤さん的な原始人並の短絡思考であり、僕はただ君の返事が聞ければそれだけで満足なのだ。
こんな僕って純粋だなと一人ほくそ笑んだ。

遠くに君に似たシルエットを見るたびに僕の心拍数は上がった。
しかし、時間になっても中々現れない。僕はうわの空で研究会の人たちと会話を続けた。

そして、ついに人ごみの中にコスプレの姿を見つけた。
徐々に近づいてきた。

「・・・。おはよう。」

「・・・。おはよう。」

ちょっとお互いに照れ笑いをしたぎこちない挨拶であった。
昨日のことをコスプレも意識しているのだろう。
僕はこの時確信した。
今日はいけると。




試合が始まった。三塁側の内野スタンドにブラスバンドの音が鳴り響く。
校歌も応援歌も選手達のためでなく僕を応援しているかのように聞こえた。

研究会やクラスの人たちの前ではそこまで僕はコスプレと話さない。
常に隣をキープしているわけではない。しかし、遠目からいつも視界の中には入れていた。
試合は全く目もくれず、チアリーダーの実は太い太ももにも目もくれず、斜め前に座った君の姿をずっと見ていた。
得点が入り微笑むコスプレ。その笑顔を見て微笑む僕。

はたから見ればなんとも気持ち悪い構図ができあがった。
でもいいんだ。もう恥などは関係ない。
そこには何か吹っ切れた僕がいた。



試合が終わり飲み屋に行く。
待ち焦がれた瞬間が徐々に近づいてきた。
僕の心拍数は確実に120をキープしていた。
軽くジョギングをしたぐらいの心拍数である。

そして飲み会が始まろうとした時コスプレはこんなことを言い出した。



「今日は体調悪いから帰るね」


「・・・。」



言葉を失った。
僕が今日という日をどれだけ待ち焦がれていたか。

聞けば昨日オールをし、そのまま来たので体調が悪くてしょうがないらしい。

コスプレは帰ってしまった。




つまらない飲み会が始まった。
手の付けられていない皿と箸がぽつりとテーブルの上に並んでいた。

賑やかな周り、ブルーな僕、空いている座布団

この耐えられない三角関係の中で飲み会は続いた。
僕は終始無言だった。

今日聞けるはずだったコスプレからの返事は流れてしまった。
どんよりと暗い気持ちで電車に乗る。
途中色んな人からメールや電話が着た。
この状況をどうやって人に話せばいいんだろう。
冷やかしの面はいなめないが、多少なりとも皆僕を応援してくれた。
申し訳なさから、僕は電話に出たり、返事を返すことができなかった。


でも、遠藤さんにだけは電話しようと思った。

「聞いてくださいよ。・・・・」

コスプレが帰ってしまったことを告げた。

「明日は絶対に告れよ」

遠藤さんの言葉からは殺意が感じられた

明日同じように流れたら僕の命はこの人に奪われることになるだろう。



(続く)







正直なめてんのかと思いました。
このブログを見てくれている100人弱の人たちも萎え萎えでしょう。
わたしが聞いたのはコスプレが途中で帰ったというだけで、早慶戦が神宮球場で行われたのかどうかも知りませんが、あまりにも林謙太郎が電話で落ち込んでいたために、今日の文はあまり面白おかしく書くのはやめました。
今日で完結すると思われたDT男。やはり、実際の電車男とは違い現実の恋愛とは一筋縄ではいかないようです。いつ終わるかも分かりません。
まー明日を期待しましょう。
それと見ている人匿名でもいいんで何かコメントくれると嬉しいです。
僕の創作意欲が増しますので。よろしくお願いしまっす。
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by koji_endo | 2005-10-31 03:07 | クソ小説

DT男2

前回までのあらすじ
HくんはDTである。その時携帯が鳴った。
(一回目を見ていない人は10月24日の一回目を見てからみてください)





携帯にでる僕。
電話からはテンションの高いコスプレの声が聞こえる。

「けんちゃん、元気~??今、サークルの飲み会終わったところ。酔っ払っちゃったのだ」

酒を飲んだ後の帰り道は誰かに電話をしたくなる。それは男も女も同じようだ。
ダーティーもチキンも皆・・・。
僕も酔った帰りは電話をしたし、彼女も僕に電話をくれた。
とりとめのない話をしばらくしていると彼女はこんなことを言い出した。

「今日ゆーすけに飲み誘われちゃった。どーしよ?」

好きな女の口から出てくる男の固有名詞は、僕をなんとも言えない気分にさせる。
もどかしいほどの嫉妬、歯がゆいほどの自分の気持ち。

思わず本心とは違う言葉が口をついてでた。

「いいじゃん。行ってくれば。あいつはいい奴だよ。」

僕はこういう時、なぜ本心をいえないのだろう。
「行かないでよ」たった6文字の言葉が言えない。
「好きだよ」のたった4文字の言葉も言えない。
自分の気持ちを分かって欲しいが、それが相手に気付かれた時の彼女との関係が音を立てて崩れるのが怖いのだ。
チキンの人は皆そうであろう。どうしても事を最悪な方、最悪な方へ考えてしまう。

「告ってからが勝負」と意味不明なことを遠藤さんは言い続けているが、そこまで僕は開き直ることができないし、しかもこの人は成功していない。
「ベンチに座ってからが勝負」というユーローさんはかっこいいのに中学校以来彼女がいないし、いつも中途半端で行為が終わる。
この人たちは本当にダメ人間だ。

一緒に隣でうける授業、授業後の昼食、研究会の帰りの電車、ささいな日常の一コマにはいつも君がいた。
その日常の一コマから、君という存在が消えてしまうのに僕は耐えることができない。


お前はチキンだ、お前はチキンだ、お前はチキンだ、お前は・・・。

頭の奥の方から鳴り響く。

「うるさい!!」

僕は自動販売機を殴った。手からは血がにじみ出た。痛みと血。全身に生の躍動感が突き抜ける。

ちなみに安野さんはむかついて家の壁を殴ったら手の指を骨折した。
インド買春男のまさやさんはむかついてラジカセを蹴ったら足の指を骨折した。
江藤はむかついてやったら股から血がにじみ出た。さすが返り血ハンター!!

そんなことはどうでもいい。
本当にどうでもいい。
アキタカの溜め込んでいるくさい詩ぐらいにどうでもいい。

僕は肩を落としながら家路についた。




僕の気持ちを知ってか知らずか、コスプレは次の日いつもと同じような明るい笑顔で話かけてくる。
昨日のことは何もなかったように僕も自然に笑顔で返す。
また変わらない日常が始まった。




僕は高校時代に三年間想い続けた人がいた。
しかし、その人は部活の一個上のQB(クオーターバック。アメフトのポジション)と付き合っていた。
僕のポジションはC(センター。QBに股間を触られボールを出すポジション)。
QBのその人に股間を触られるとやるせない気分になる。
この手で、僕の想う人の股間も触っているのだろう。
雨にも負けず、風にも負けず、僕はQBに股間をまさぐられながらボールを出し続けた。
そこには完全に敗者の姿があった。

僕は昔から片思いに慣れているのかもしれない。
好きな人と同じ時間を共有できれば、それが儚い恋に終わっても・・・。

しかし、それをダーティー共はよしとしない。
「さっさと告れ」春先から遠藤さんには一万回以上言われている気がする。
「さっさと中だし」春先から江藤には一万発以上言われている気がする。




僕もとうとう自分の気持ちを伝えようと決意した。
高校の時の敗者の自分の姿、泣きながら枕を噛みしめた屈辱の日々を思い出しながら。




その日は研究会が終わった後。
まだ教室に人が数人残っている中で僕は言った。

「今から江ノ島いこうよ。」

僕の顔は赤く染まっていた。声もかなり上ずっていた。
周囲の人にも感づかれていたに違いない。
でもいいのだ。周りの視線、今後の関係、これらを気にしていたら一歩も先には踏み出せない。

「今日は遅いから無理」

散った。散った。綺麗に散った。
それは桜の花びらが舞い落ちるように。



しゃーぼん玉飛んだ

屋根まで飛んだ

屋根まで飛んで

壊れて消えた・・・

うーん、うーん、うーん

こんな時にもパッション屋良のネタが浮かんできてしまう僕は、かなりバカな人たちに汚染されてきた感が否めない。



恥を捨て、勇気を振り絞った結果がこれである。

その日の夜、遠藤さんに電話した。留守電であった。
メッセージを残すことにした。

「チュイーッス・・・。だめでした。弟失敗。兄に期待。それではまた」

このメッセージを聞いた遠藤さんからは
「お前ギャグセンス上がったよ。」
と大層褒められたが嬉しくもなんともなかった。

(作者注 この文章を見ても普通の人は何も面白くないと思われます。経緯を知っている人に直接聞いてください。)


でもよく考えてみれば、江ノ島に一緒に行ってくれなかっただけで別に振られたわけではない。
もう一度チャンスを窺うことにした。

そもそも僕のようなチキンは何かイベントがないと告白することができない。
メールや電話ではもちろんできないし、例え毎日会っていたとしても特定の場所、シチュエーションがないと無理なのである。
そこで僕は車の免許を取ってから空港で告白することを思いついた。

あらゆる人間に「なんで空港なんだよ!!」とつっこまれた。


空港とはあらゆる人が行き来する
流れ、流れ、流れてく
そんな場所
人の出会いは流れの中のほんの一点
一点の中での交錯により君と僕は出会った
流れる場所で君にこの一点の気持ちを伝えたい

という想いが僕にはあったからだ

結局あまりにもバッシングが強くそのうちパッシングになりそうなのでこの案は否決された。
衆議院で可決された法案は参議院で否決されても、再び衆議院で3分の2以上の多数で再議決されれば法案となるが僕の案に賛成する人は誰一人としていなかった。
廃案であった。

その後何日か経った後、早慶戦に研究会で行くことになった。その後に銀座で飲み会があるらしい。そしてその後に告白することに決めた。
この決意は僕のチンポよりも固い。いや僕は柔らかいか・・・。

アメフトの練習後サブウェイで飯を食べながら、遠藤さん達に明日告白すると告げた。

すると

遠藤さんはしきりに悪いようにしないから携帯をよこせと言ってきた。
森田は武豊が乗っていたディープインパクト並のオッズで勝ち目がないと言った。オッズは1.0倍だった。
吉行は同じチキンとして僕を応援すると言って、ケイジャンチキンを食べていた。
ボクサーはシャドーボクシングをしていた。亀田三兄弟の次男に勝てなかったあの試合を思い出しながら。(これはマジな話です)


そしてメールを打つことにした。
メールは僕が打ったが僕の文ではない。
ほとんど遠藤さんの文であり、残りは4人は一緒になって考えてくれた。


僕    「明日銀座行った後、いろいろ話したいから一緒に飲みに行こうよ!!」

コスプレ 「いろいろってなんだよ笑 てか明日雨ふりそうじゃない!?」

僕    「色々っていうか言いたいことは一つだ 笑」

コスプレ 「んー(-_-)何だって?? 晴れたら行くか」

僕    「明日の降水確率80% 明日のフラレる確率80% なんてね♪」

コスプレ 「ん・・告白か 笑☆」

僕    「告白だ 笑」

雨に降られると女に振られるの「ふる」を掛けた見事なメールに仕上がった。なんてね♪は遠藤さんが使う常套文句である。
というか遠藤さんテイスト全開のメールであった。しかし、ここは笑天ではない。うまいことを言っても座布団は運ばれてこない。

その後メールはしばらく返ってこなかった。
メールが来る度に息が詰まりそうになり携帯を見たがコスプレではなかった。


しばらくして僕が電車に乗っている最中についにコスプレからメールが返ってきた



「メールじゃなんだから、明日会ってゆっくり話そう!!」



僕は電車の中で天に向かって拳を高く握り締めた

隣のおばちゃんは僕をかわいそうな目で見た

「かわいそうなのはこの幸福を理解できない愚民どもだ」

と心の中で叫んだ

すべては明日決まる

10.30

この日は忘れられない日になりそうだ。



(続く)





 (作者注)
 
正直私には空港で告白すると言ったプレイは理解できません。本人は恋の病に犯されているために正常な思考がすでに困難になっています。理由は適当につけてみました。本来は理由などはなんもなく単なるバカの極地でしょう。
メールは本物です。ついに明日このDT男の結末が見れそうです。皆さんも鼻くそをほじったり、屁をこきながら見守ってください。
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by koji_endo | 2005-10-30 00:58 | クソ小説

DT男


この物語はH君の愛と感動の恋物語である。

どこまでがフィクションでどこまでがノンフィクションかは読む人のメディアリテラシー能力にかかっている。そして、わたくし、遠藤は電車男をテレビドラマで二回ぐらい見ただけで、2チャンネルがでてくることぐらいしか理解していないので話は適当である。

まー結構長いのでお暇な時にどうぞ!!






















久しぶりに人を好きになった。



木々は新緑で青々とし、空気は温和で清々しい。
僕の心がここまで開放感に浸っているのは春という季節よりも、長年の浪人生活が終わり晴れて大学生になったからかもしれない。
君と出会ったのはバイオの研究会のフレッシュマンキャンプ。
学部の一年生の親睦のために開かれたキャンプの時である。
桜の花が舞い落ちる季節に行われたフレッシュマンキャンプ、その頃の僕はその名の通りフレッシュマン(hey-yo-DO-TEI)でチキンな男であった。



今年22才。女友達は自分でも多いと思う方だが、なぜかいつもいい人で終わってしまう。
大学に入り、遠藤さんやユーローさんなどを見ると僕も少しはダーティーにならなければと思うのだが、自分を変えるということは難しい。
いや、違う。この人達のようになる必要は微塵もない。
でも、少しはチキンを改善したいと思っている。
世の中の大半の人はそうであろう。自己を変革するには相当の努力を要するのだ。
多くの人間は理想の自分と現実の自分のジレンマに悩む。
そのジレンマとの葛藤の末、結局は現実の自分という鬱蒼と茂った木の枝に羽を下ろす。
そんな日常の繰り返し。

彼女には彼氏がいた。
このような勝算が著しく低い状況でもあきらめないのは、本当に好きで執着心の強い男か単なるバカかのどちらかである。
僕は執着心の強い男であり、遠藤さんは単なるバカである。

君への思いを伝えられないまま、僕はフレッシュマンチキンのまま、半年の月日が流れた。

半年経ったある日、コスプレから彼氏と別れたという話を聞いた。
(電車男ではエルメスだったらしいが、秋祭でこの女の子がチャイナ服を着ていたので以後コスプレとする)

アメフトやSOULのメンバーに相談したところで冷やかされるのが落ちである。
恋愛相談をするなら、近くのダーティーより遠くのDTである。

正直な話、見ず知らずの人間に恋愛相談をするなどというのは、ネットオタクのようで抵抗もあるがこの際仕方のないことであろう。
彼女はもてる子である。うかうかしていたらチンポのついた同じ童貞臭のする野獣共にとられてしまう。

僕はパソコン画面の前に腰を下ろした。

グーグルに「恋愛相談」と打ち込みページを開いた。


「恋愛掲示板上級者向き」


おもむろに見ているとこんなページを見つけた。
僕はまだ恋愛初心者であるが、そこは匿名性が売りのネット上。
見栄を張って上級者向きに書き込みをすることにした。
思えば、こういうところでもプライドを捨て切れない自分が少し歯がゆい。




1:DT男
電車で女の子が水上置換(ちかん)法で二酸化炭素を集める実験をしていました。どうすればいいのですか??

2:ダーティー男
科学の実験などこのスレには必要なし!! 即刻立ち去れ!!

3:DT男
すいませんダーティー男さん。水上置換(ちかん)法というのは嘘で、痴漢(ちかん)から女の子を助けたらお礼がしたいから会いたいと言われたのも嘘で、僕は好きな子がいるのですがなかなか告白できません。どうすればいいのですか??

4:ダーティー男
汝は童貞であるか??

5:DT男
実を言うと・・・22才童貞です・・・。

6:ヨーロッパ通貨
ははは、お前童貞かよ!!22才って。ウケるウケる!!

7:ダーティー男
>>6 汝は童貞ではないのか??

8:ヨーロッパ通貨
>>7 何だお前は!!

9:ダーティー男
>>8 汝は童貞ではないのか??

10:ヨーロッパ通貨
>>9 だから何だお前は。頭いかれてんのか!!この変態が!!うせろ!!

11:ダーティー男
我は偉大な童貞なり。童貞神に使われしものぞ。ダーティーも英語で書けば立派なDTなり。

12:ヨーロッパ通貨
・・・。

13:DT男
・・・。



僕はいったい何をやっているのだろう・・・。

雲一つない秋晴れの空を仰いだ。

ネットはダメだ。
見ず知らずの人の恋愛相談に乗ってくれる人などやはり皆無である。

人とは潜在的に人の不幸を喜ぶ習性があるのかもしれない。
幸福な話には大して耳を傾けず、不幸な話には死肉を漁るハイエナのように群がってくる。
人間性が欠如した人たちを僕はしばしば社会に見出す。
それが何だって言うんだ。僕も同じようなものではないか・・・。


しょうがない。近くの合コンばっかりやっている、絵の具で例えるならブラックとブラックを合わせたようなそれはそれはダーティーな人たちに相談してみよう。



「遠藤さん、チョイーッス!!コスプレが別れたらしいんですけど、どうやって告白したらいいですかね??」

「おう、DT!! バイオで告れ!!バイオで!!前ブログで教えてやっただろ。 もしくは酒に目薬を入れて酔わせて一気にもっていけ!! それゆけ童貞マン!!ギャハハ!!
つーか、バタコさんとジャムおじさんは絶対出来てるって。あれはどう見ても愛人関係だよ。ひえーあの漫画子供には毒だわ~。ギャハハハ。」


この人に相談した僕がバカであった。

ふとこの人は今年23歳のくせして大丈夫なのか??と思うことが多々ある。本人は楽しそうなのでいいとは思うが。次だ次。


「ゆーろーさん、どうやって告白したらいいですかね??」


「おーう、H。まずベンチに座るんだよ。ベンチに。んでさ、肩を組むわけ。そしてその後はお任せしますよ。出ます出しますジャンジャンバリバリ!!」


この人にも相談した僕が馬鹿であった。

最近では株の勉強してるらしけど、基本的に毎日飲んでスロットやっているだけの人だ。
次だ次。


「おーい江藤。どうやって告白したらいいのかな??」


「Hさん。ゴムなしっすよ。やっぱ。」


こやつに至っては全く会話が通じない。

会話はキャッチボールのはずだ。僕の投げた白球は完全に彼には無視された。次だ次。

「恋愛とは愛から始まり、そして情が加わり愛情になり、そのうち愛情の愛がとれて情になる。最後は情しか残らない」という格言を残した安野さんだ。



「安野さん、どうやって告白したらいいですかね??」

「羞恥心をすてろ」

「そうですよね。僕いつもチキンなんで。どうやったらいいですか??」

「脱ぐんだ」

「プライドをですか??」

「服だ。服を脱いで東戸塚のスクランブル交差点を走り抜けるんだ。俺も以前やった。
これはアフリカの民族がやっている成人になるための儀式らしい」

「・・・。」



この人に至ってはつっこむ気力もうせた。
僕のまだ未使用のきかんぼうは気持ち以上に萎えている。
どうして僕の周りはバカばっかりなのだろう。

僕はやり場のない怒りに胸が一杯になり、オリオン座が輝く夜空を見上げた。


「星は何て綺麗なんだろう。」


遥か何万光年の過去の光が現在の僕の眼に映っている。


「僕と君も昔から何かの縁で結ばれていたかもしれない。」


などと、それはそれはボタのようなくさい自己陶酔に浸っている時に、携帯の着信音がなった。

コスプレからだった。

(続く)









作者注  登場人物紹介



遠藤   実際は純粋無垢なチェーリーボーイ
ユーロー 身体はスロット細胞と酒細胞で作られている男
江藤  セックス製造機。ゴムなし、中だし、愛なしの三冠王
安野  言わずとしれた変態。東戸塚で脱いで走ったのはマジな話である
ボタ  永遠にくさいことを言い続ける男。あまりの寒さにホッカイロは欠かせない。




この物語に続きがあるのか、恋は成就するのかしないのか、結末はどうなるのか、はすべてH君にかかっている。頑張ってくれ♪
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by koji_endo | 2005-10-24 17:16 | クソ小説